北上済生会病院

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部門のご紹介

薬剤科

◆薬剤科長挨拶

 当院薬剤科は薬剤師9名、薬剤助手3名の計12名で運営しております。
 薬剤師の仕事はと問われれば、先ず調剤と思い浮かぶのではないでしょうか。もちろん薬剤師にとって基本業務ですが、医薬分業が進んだ現在の病院薬剤師は、外来、入院調剤の他に、病棟の医師、看護師等のスタッフと連携して入院患者さんの薬学的なケアに関する業務の比率が大きくなっています。当院でも各病棟に薬剤師を配置して、医師、看護師等と情報共有しながら医薬品の適正使用や入院患者さんへの服薬指導などを行っています。また、院内感染対策、栄養サポート、がん化学療法などで薬剤師の専門性を活かして積極的に活動しています。
 患者さんの病魔と闘うために、日々、新しい治療法が開発されています。その中で、毎年、多くの新薬が開発、発売されて医療現場で使われます。我々、薬剤師も進歩に追い付きながら、薬を通して患者さんが一日も早く回復するように、お手伝いをしたいと考えています。


薬剤科長 中村 浩規

 

業務紹介

<調剤業務>

 調剤とは、薬剤師が処方箋の内容が適切か確認してから、お薬を取り揃えて、患者さんに適切に使用できるように説明して、お渡しするまでを言います。
 従って、薬剤師は医師が処方箋に記載したお薬を単に取り揃えるだけでなく、薬剤の用法・用量は適正か、飲み合わせに問題はないか等を複数の薬剤師で確認しています。もし、処方内容に疑わしい点(疑義)がある場合は医師に確認して、疑義を解消してから調剤します。 
 また、必要に応じてお薬を服用しやすいように、液剤、散剤、塗り薬を混合したり、錠剤を服用時点ごとに分包(一包化)することもあります。患者さんにお渡しする際はお薬手帳も確認しながら、服用方法等を説明します。

 

外来処方受付窓口(2階)院外処方箋送信用FAX
(外来待合室:北上薬剤師会提供)

院外処方箋の発行について
 当院の外来処方では原則として院外処方箋を発行しています。外来処方の約90%が院外処方箋です。院外処方箋では、院内に在庫していない薬剤も処方できるようにしていますので、患者さんの病状に合った薬をより幅広く処方できるようにしています。また、調剤薬局では他院のお薬との飲み合わせや、過去の処方歴や相談事などを記録していますので、お気軽にご相談下さい。 
 待合室の自動支払機の左側には、北上薬剤師会のFAXを置いています。処方箋を予め院内から、かかりつけの薬局に送ることで待ち時間の短縮が期待できますので、ご利用下さい。
 なお、院外処方箋の有効期間は、処方箋発行日を含めて4日間です。この4日間には休日も含まれますので、ご注意下さい。

薬剤科内 調剤室


<注射薬調剤業務>

 患者さんに投与する注射薬も医師の処方箋により調剤しています。薬剤師は処方箋から用法用量の他にも、注射の投与速度は適切か、注射薬を混ぜたときに物理化学的に変化しないか、投与経路は適切か等をチェックした上で患者さん毎に1回分ずつに取り揃えて病棟に払い出します。
 薬剤科では新病院への移転を機に払出作業の一部を機械化して、薬剤師が病棟に行く時間を増やしました。

 

自動注射薬払出機患者毎注射薬トレー


<医薬品管理業務>

 病院内で使用する全ての医薬品を購入し、各部署に供給しています。購入している医薬品は1,300種類以上あるので、それぞれの薬品が在庫不足や過剰在庫にならないようにコンピュータで管理しております。また、医薬品は使用するまで、法律や規則、温度、有効期限など、それぞれに定められた条件に沿って保管しなければなりません。薬剤科内はもちろんですが、各部署に供給した医薬品も薬剤師が定期的に保管状況をチェックしています。

<医薬品情報管理(DI業務:Drug Information)>

 医薬品には必ず副作用があります。使い方を誤るとそのリスクが大きくなります。医薬品には安全に使用するために多くの情報が備わっており、その情報は日々更新されています。DI業務では、本院が購入している医薬品以外についても、様々観点から収集しています。
 収集した情報は医薬品が適切に使用されるように解りやすく加工して、医師をはじめ医療スタッフに提供したり、医薬品に関する問い合わせに対応しています。また、収集した情報を基に院内で使用する全ての薬品が電子カルテ上で安全に処方できるように設定しています。

<薬剤管理指導業務と病棟業務>

 入院中の患者さんやご家族に対して入院中に処方されたお薬や注射薬の説明をしています。具体的には、入院時には持参していただいたお薬については、お薬手帳を確認しながら服薬状況などをお聞きし、医師、看護師と情報共有して、その後の薬物療法を検討します。また、入院中に処方されたお薬は薬効や服用方法や注意点などを説明し、副作用が起きていないか確認します。その際に気づいた点は、医師や看護師にフィードバックするとともに電子カルテで情報を共有しながら適切な薬物治療になるよう努めております。
 令和5年度からは病棟毎に担当の薬剤師を配置しました。薬剤師が病棟で業務する時間を増やしたことにより、医師、看護師との薬物療法に関する情報交換や患者さんに説明する時間が増えました。毎月、400~500件の薬剤管理指導業務を行っています。

<チーム医療への参加>

チーム医療とは、共通の専門領域に詳しい知識を持った医師、看護師、薬剤師、栄養士、臨床検査技師などがチームを作って、それぞれの専門性を活かしてより良い治療に導くような活動をしています。

・院内感染対策・抗菌薬適正使用チーム
  院内感染対策支援チーム
  院内の環境衛生を監視して、対策を検討、実施しています。また、感染者が発生した場合は最前線で活躍します。薬剤師は消毒剤の適正使用に関わっています。

  抗菌薬適正使用支援チーム
  院内で使用される抗菌剤の使用状況を参考に耐性菌が出ないように監視しています。また、細菌やウィルス等の感染者が発生した場合には薬剤師から抗菌薬を適正に使用する様に、抗菌薬の種類や処方量について医師に助言します。薬剤師が中心的な役割を担っています。

・栄養サポートチーム(NST)
 病状に合った十分な栄養を摂ることは回復を助けます。NSTは患者さんの病状に必要な栄養素から食事療法や栄養剤の使用等を助言します。薬剤師は医薬品指定の栄養剤や食事の代替となる注射剤を助言します。

・がん化学療法
注射用抗癌剤の点滴や内用抗癌剤の開発により、外来でもがんの薬物療法が行われるようになって、働きながらでも通院治療ができるようになりました。薬剤師は抗癌剤の投与スケジュールを管理して、薬剤を調製しています。また、必要に応じて外来患者さんに抗癌剤投与中の注意点等を説明しています。

<薬学部実務実習生の受け入れ>

 薬学部は平成18年度入学生から6年制となり、5年次には病院・薬局でそれぞれ2.5ヶ月(年間約5ヶ月)の実務実習が義務付けられました。
 実習は薬剤師が指導者となり、全国の薬学部で決められた薬学教育モデルコアカリキュラムに従って、基本となる調剤業務、注射薬調剤、DI業務、薬剤管理指導業務、病棟業務を体験するほか、医療に関する法律、倫理、保険制度などを学習します。
 当院でも東北地方の大学から毎年2,3名の実習生を受け入れ、病院内で実務実習を行っております。服薬指導の実習として実習生が外来窓口や病棟のベッドサイドで薬の説明をすることがありますので、その際は、ご協力をお願いします。
*実習生の出身大学:岩手医科大学、東北医科薬科大学、奥羽大学

 


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